東京造形大学 毎日新聞 新年広告
Newspaper advertising / Cl: 東京造形大学 / AD+D+Copy: カイシトモヤ (room-composite) / Artwork: Mina Yamamoto
ヒト でいるために。
君 でいるために。
コンピュータが一瞬で、細やかな絵を描く時代が来てしまった。
まるでSF映画の中で思い描いていた未来みたいだ。
生成AIに命令を与えることが創造であるかどうか、論争になっている。
こんな議論が立ち上がるなんて、少し前は考えられなかったことだろう。
大昔からヒトは手をうごかして、ものを作り続けてきた。
石がパソコンやタブレットに変わっても、心はきっと同じ。
新しいものを自分でつくり出したいと思う衝動、かもしれない。
つくることで、明日の世界を良くしたいという願望、かもしれない。
空を飛ぶ鳥は、本能にしたがい巣をつくり、ヒナを育てる。
しかし、つくることに大きな喜びを見出すこともなく、
明日つくる巣を、今日より面白くしていく気持ちもわかないだろう。
ヒトと他の動物を切り分ける大きな要素が、ここにある。
つくりたい気持ち、明日を変えたい気持ちは、ヒトの物語をつむぐ。
つくる人のぶんだけ、物語が生まれる。
物語が続くにつれて、君という個性がかたちづくられる。
個性は一瞬では生成されない。ゆっくり、しかし着実に積み上がっていく。
上手く描けない、友達の作品が自分よりはるかに素晴らしく見える。
道のりは上手くいかないことだらけだろう。だからこそ素敵なのだ。
東京造形大学は、つくることが大好きな君が、ずっと君らしくいられるように、
長い時間をかけて、その物語のなりたちを応援していきます。
「さあ、ようこそ。」